こんにちわソーイングスクエア編集部です♪
本日はまたまた【テキスタイル】のコーナーです♪
今回は福岡県北九州市の伝統的な織物として知られる【小倉織】をご紹介します♪
小倉織とは
小倉織(こくらおり)は、福岡県北九州市小倉地区で生まれた日本の伝統的な木綿織物です。その特徴的な縦縞模様と高い耐久性により、江戸時代には武士の袴や帯として重用されました。現在では、ファッションやインテリア、雑貨として幅広く取り入れられています。

小倉織の特徴
小倉織は、経糸が通常の織物の3倍の密度を誇ることから地厚で丈夫なうえになめらかな点が大きな特徴です。経糸の密度が高いため、緯糸が見えず、たて縞となります。
色の濃淡による立体的な世界を創りだし、なめし革のような風合いと共に他に類を見ない個性的な織物です。洗練されたシンプルな美しさを持ちながらも色の濃淡により立体感が生まれ、独特の風合いが魅力的です。
また経糸(たていと)を多く使用し、密度の高い織り方をするため、丈夫で長持ちする織物として知られています。使い込むほどに柔らかさと風合いが増し、持ち主に馴染んでいくことも大きな特徴といえます。

小倉織の歴史
1. 小倉織の誕生
小倉織の起源は江戸時代初期にさかのぼります。豊前国小倉藩(現在の福岡県北九州市)で生まれ、細川忠興公が京都から織物職人を招き、その技術を取り入れることで発展しました。当時の日本では、木綿が貴重な素材であり、高品質な織物は上流階級や武士の間で重宝されました。
2. 江戸時代:武士のための織物
江戸時代、小倉織は武士の袴や帯として広く用いられました。特に小倉藩では、家臣の正装として小倉織の袴を採用し、耐久性の高さが求められました。小倉織は、密度の高い織り方により摩擦に強く、戦いや稽古などでの着用に適していたため、「武士の袴は小倉に限る」と言われ、多くの武士に支持されました。また、小倉藩が幕府に納める献上品としても生産され、全国にその名を知られるようになりました。江戸時代中期には、商人の間でも人気が高まり、着物の帯や小物としても使用されるようになります。
3. 明治時代以降の衰退
明治維新後、西洋文化の流入とともに日本の服装も変化しました。洋装が普及するにつれ、武士の象徴でもあった小倉織の需要は激減しました。また、産業革命による大量生産の影響もあり、小倉織のような手織りの織物は生産コストの面で競争力を失い、次第に姿を消していきました。大正から昭和にかけて、小倉織はほとんど生産されなくなり、一部の職人に受け継がれるのみとなりました。
4. 昭和から平成:復活への歩み
小倉織が復活したのは、昭和末期から平成にかけてのことです。染織家・築城則子氏が小倉織の技法を研究し、独自に復興させました。伝統的な技術を現代のライフスタイルに合う形で再構築し、ファッションやインテリアなど幅広い分野で小倉織の活用を試みました。
その結果、小倉織は再び注目を集め伝統工芸品としての価値が見直されるとともに、新たなデザインや用途が開発され、若い世代にも受け入れられるようになりました。
現代の小倉織
現在では、北九州市を中心に複数の工房が小倉織の制作を行い、伝統技術を守りながらも新しいデザインや商品開発を進めています。ファッションブランドとのコラボレーションや、インテリア製品、生活雑貨としての活用が進み、外国人観光客がお土産に購入されるなど国内外で高い評価を受けるようになりました。

1. ファッション
シャツやスカート、バッグなど、日常使いのアイテムに小倉織の布地が活用されています。特に注目なのが2007年から株式会社 小倉縞縞が展開するオリジナルブランド[小倉 縞縞(KOKURA SHIMA SHIMA)]です。意欲的に新しい生地の開発に取り組み、[縞縞 BASIC]、「縞縞 CLASSIC]、[縞縞 EVOL]、[縞縞 LIV]、[縞縞 CASA]、[縞縞 EARTH]、[霜降]と、ニーズやコンセプトに沿ったシリーズを発表されていて、独自のデザインや、サステナブルな生地の開発など、小倉織の高い製織技術を用いた製品展開で小倉織の新たなる可能性を引き出しています。

2. インテリア
テーブルクロス、クッションカバー、のれんなど、和洋どちらの空間にも合うインテリア用品として人気があります。

3. 生活雑貨
バッグや名刺入れ、財布、手帳カバーなど、小倉織の耐久性を活かしたアイテムが多数登場しています。

小倉織を楽しめるお店
福岡県北九州市では、小倉織の工房や店舗があり、実際に織物の制作工程を見学したり、職人と交流しながら購入することができます。以下では北九州市で小倉織りに触れることができる主要なお店と工房をご紹介します♪
(小倉縞縞 本店)

株式会社 小倉縞縞が展開するオリジナルブランド[小倉 縞縞(KOKURA SHIMA SHIMA)]の本店です。伝統的な小倉織をより身近にお使いいただけるように、風呂敷やエコバックなどの小物からファッション、インテリアなどモダンでスタイリッシュな品が販売されています。
住所:〒803-0814 福岡県北九州市小倉北区福岡県大手町3-1-107
電話番号:093-561-8152
FAX番号:093-561-9119
営業時間:10:00~18:00
定休日 毎週水曜日
(小倉城)

小倉城では織機を使用しての小倉織体験を江戸の風情溢れる小倉城庭園にて随時開催しています。
1名から最大20名まで受付が可能で、空いていれば予約なしでも申し込みは可能です。
週末や祝日は混雑が予想されるため、前日までの予約がお勧めです。
あなただけの「小倉織コースター」を作ることのできるチャンスですのでぜひ皆様、一度ご体験ください。
住所:福岡県小倉北区城内1-2 小倉城庭園
電話番号:093-582-2747
問い合わせ先:小倉城
ウェブサイト:公式ホームページ
まとめ
ということで今回は北九州市の伝統的な織物【小倉織】をご紹介しました♪小倉織は、シンプルながらも洗練された縦縞模様と、長く使える耐久性の高さを兼ね備えた伝統織物です。江戸時代から受け継がれてきた技術が現代のライフスタイルに融合し、多くの人に愛され続けており、ハンドメイドの作品作りに取り入れてみるとまた創作の幅が広がるかもしれませんね♪
今回の記事をぜひご参考いただいて、今後のハンドメイドライフに活かしていただけたら幸いです♪