こんにちわ、ソーイングスクエア管理人です♪
突然ですがタイトルにも出ていますが皆さんは「ホームスパン」という言葉を耳にしたことはありますか?
ホームスパンとは英語だとhome spun(家で紡ぐ)と表記され、その名の通り手織りで作られた布のことを指し、伝統的な技法を使って丁寧に織られたテキスタイルのことをいいます。
そして、岩手県は特にホームスパンの産地として長い歴史を持ち、その技術と美しさが国内外で高く評価されているそうなんです♪

なぜホームスパンのお話をいきなりし始めたかというと先日、当ブログの読者の方とお話をする機会がありました。その方はホームスパンを使った作品作りを普段からされていて、先日ソーイングスクエアでも販売を開始した【RICCAR ニードルパンチミシン】を作品作りに取り入れたそうなんです。そしたら、ニードルパンチミシンとホームスパンの相性がとてもよかったとのことで、わざわざご連絡いただきニードルパンチミシンの感想を教えてくださったからなんです♪
ということで、これは皆さんの作品作りの幅を広げるヒントになるんじゃないかと思い、今回はは岩手県のホームスパンの歴史やその魅力、特徴、また、現代における展開について詳しく紹介していきたいと思います(^^)/
1. ホームスパンとは?
ホームスパンという言葉は、英語で「家で紡がれた」という意味を持っています。その名の通り、もともとは家庭で羊毛を手作業で紡ぎ、手織りで作られた布のことを指していました。これは18世紀のヨーロッパで発展し、主に家庭で使用するために作られていました。羊毛を刈り取るところから始まり、手で紡ぎ、織り、仕上げまでを家族が行うという、非常に手間がかかるのがホームスパンの特徴です。

2. 岩手県のホームスパンの歴史
岩手県のホームスパンの歴史は、明治時代にさかのぼります。
1868年の明治維新後、日本は急速に近代化の波に乗りさまざまな技術や文化が西洋から導入されました。
その中でも、洋服用の織物技術が注目を集め全国で導入が進められ、岩手県では、寒冷な気候と広大な牧草地帯を活かした羊毛産業が発展していたこともあり、織物技術を活かしてホームスパンの生産が行われるようになりました。
特に盛岡市を中心に、地元の職人たちが手作業で高品質なホームスパンを織り上げ、全国に供給するようになりました。軍服や制服などの実用品としても需要が高まったことなどから、地域の重要な産業として発展していきました。
戦後の高度経済成長期に工業化が進んだことで安価で大量生産可能な織物が普及しましたが、岩手のホームスパンは工業化の波に乗らず、その伝統技術を守り続け、品質重視の生産体制を維持しました。そして現在でも高級な織物として高い評価を得るに至ったそうなんです。
3. ホームスパンのができるまで
ホームスパンは一つの生地ができるまでに様々な工程を経なければならず、それぞれの工程で職人の技術と経験が求められるため、手間と時間がかかります。職人の手が手間ひまかけて出来上がるホームスパンは大量生産された安価なものとは一線を画す高い品質の製品となっているとのことでここからはホームスパンが出来上がるまでの工程を見ていきましょう。
(羊毛の刈り取り)
ホームスパンの始まりは、羊毛の刈り取りからです。岩手県では、豊かな自然環境を活かして羊が育てられ、毎年春に羊毛が刈り取られます。刈り取られた羊毛は、丁寧に選別され、織りに適した状態に整えられます。

(染色)
刈り取られた羊毛は天然染料を使って染められます。岩手県のホームスパンでは、染色には植物、動物などの天然の材料を使用し特に自然の植物を使った草木染めが人気です。主にくるみ・桜・矢車附子・りんごなどの樹皮や葉・こぶな草・よもぎなど古代から伝わる堅牢な染料植物を使用し地元の自然資源を活かし、柔らかい色合いや深みのある色が特徴となっています。

(カーディング)
カーディングとは繊維を整えていく工程でブラシのようなものを使って羊毛の持つ風合いを損ねないように、梳いてほぐし、繊維を揃えて紡ぎやすい状態に整えます。
この時にいろいろに染められた羊毛をミックスして好みの色に作ります。

(紡ぎ)
カーディンが完了したら次に糸に紡がれます。これは「スピニング」と呼ばれる工程で、手作業または糸車を使って行われます。繊維を整えられた羊毛を少しずつ引き出しながら撚りをかけ、紡いでいきます。ここでの技術が非常に重要で、撚りの強さ、糸の太さ、その組み合わせによって風合いに違いが出て、この違いが最終的な布の仕上がりに大きく影響します織ったときの表情に影響を与えます。

(織り)
職人によって紡がれた糸は、織機を使って丁寧に織られます。手織りの技術は、織り手の感覚と技術に大きく依存しており、特に細かな模様やデザインを織り込む際には熟練した技術が必要となり、ここでも職人の技が光ります。

(縮絨)
織り上げられたホームスパンは、経糸と緯糸がしっくりなじむようにお湯とモノゲン(羊毛用の洗剤)で洗ってフェルト化させる縮絨(しゅくじゅう)という作業を施します。縮絨を施すことでそれぞれの糸がしっかりと絡み合いタフなひとつの布となります。

(仕上げ)
縮絨が終わったら最終的に仕上げの工程に入ります。縮絨の終わったホームスパンは、影干しした後にスチームアイロンをかけてしわやゆがみを整えます。また、布の質感や光沢を引き出すための調整も行われ、これによって、肌触りの良い滑らかなホームスパンが完成します。

4. 岩手ホームスパンの魅力と特徴
岩手のホームスパンの最大の魅力は、その温かみのある質感で他の毛織物と比較にならないほどの暖かさ、肌に触れてもちくちくしない柔らかさ、複雑な色合い、抜群の耐久性を有しており毛織物の最高級品です。
手作業で一つひとつ丁寧に作られるため、機械織りでは再現できない独特の風合いがあり、自然素材を使用した染色や、織り手の技術が反映されたデザインは、時代を超えて愛される普遍的な美しさを持っています。
5. 岩手ホームスパンの展開
現在、岩手県のホームスパンは、伝統を守りながらも現代のライフスタイルに合わせた新しい展開を見せていおり盛岡市では、「MORIOKAスヌード」という盛岡市で活躍するホームスパンの7工房(作家)それぞれの織り技、多彩な表現センスを生かした冬のアイテムの販売もされるなど伝統的な技法を活かしつつ、デザインや用途においては現代的なアプローチが加えられた展開が広げられています。

6. 岩手のホームスパンを体験する
もし岩手県を訪れる機会があるなら、ぜひホームスパンの現場を体験してみてください。「ホームスパン みちのくあかね会」では見学や体験プログラムを提供しており、実際に織り機に触れたり、職人の技術を間近で見たり自分で手織りの体験をすることもできます。ホームスパンの世界により深く触れることができ貴重な思い出ができること間違いなしです。手作りのホームスパン製品購入もでき職人の手によって作られた唯一無二のアイテムが勢ぞろいしています。自分へのご褒美や大切な人への贈り物にぴったりなアイテムが見つかるはずです♪

https://www.michinoku-akanekai.com
7. まとめ
ということで今回は岩手県のホームスパンについてご紹介しました♪
岩手県のホームスパンは、豊かな自然環境の中で育まれた羊毛が職人たちの熟練の技術によって手間と時間をかけて作られ着る人を包み込むような心地よさと、長く愛される魅力を持っています♪
羊毛から作られたテキスタイルということもあってニードルパンチミシンとの相性もばっちりですね♪
ぜひ今回のブログを参考にして皆さんの作品作りに活かしてもらえたら嬉しい限りです(^^♪
ソーイングスクエアではこれからも皆さんのハンドメイドライフのお役に立てる情報を発信して参りますので是非チェックをお願いします(^^)/