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福岡の伝統を紡ぐ【博多織】

こんにちわソーイングスクエア編集部です♪

今日は、ソーイングスクエア編集部のある福岡の博多の伝統的な生地【博多織】についてご紹介していきます♪

博多織(はかたおり)は、福岡県福岡市を中心に約800年の歴史を誇り日本の伝統的な織物の一つとして知られています。その美しいデザインと丈夫な織りが特徴で、着物の帯として特に人気がある博多織の歴史や製造工程、その魅力について詳しく紹介しますので是非最後までお付き合いください♪

博多織の歴史と特徴

博多織は、福岡県と佐賀県で生産される絹織物で、1976年に国の伝統的工芸品に指定されました。特徴は、たくさんの経糸(たていと)に数本の糸をまとめた太い緯糸(よこいと)を強く打ち込むことで生まれる、コシがあり丈夫な生地です。

博多織の起源は鎌倉時代にさかのぼり、博多の商人が中国(宋)で学んだ技法に独自の意匠を加えたことで現在の博多織の基礎を築きました。江戸時代には黒田長政が幕府への献上品に用い、その際の柄が「献上柄」として代表的なデザインとなり当時の武士階級に非常に重宝されました。

    

特に博多帯が有名で、一本の帯を手織りで制作するには、10,000本以上の細い糸を使用し、数か月から半年もの時間がかかることもあります。精密かつ繊細な手作業によって作られ手間がかかっている博多帯は、締めた際に経糸同士が摩擦を生むためしっかりと締める事ができ、帯が緩みにくく「絹鳴り」と呼ばれる「キュッキュッ」と音がなるのも特徴です。

明治時代以降は、技術革新やデザインの多様化が進み、伝統を守りながらも現代的な要素を取り入れる試みが続けられています。現在ではユネスコの無形文化遺産にも登録されており、福岡を代表する工芸品として世界中から注目されています。


博多織の製造工程

博多織は職人の技術と多くの工程を経て作られます。以下にその主要なプロセスを紹介します♪

1.意匠
博多織の作成はまず絵柄を決定する「意匠」という作業からはじまり、設計された図案にしたがって方眼紙にたて糸とよこ糸の交差具合(幅、糸数など)を示す織組織を描き起こし図柄を完成させていきます。幅1mmにも満たない糸一本さえも調整する、きわめて緻密な設計作業となっています。

2.染色(せんしょく)
博多織は「意匠」で色が決められていますので、先に絹糸を染色する作業に入ります。絹糸を石けんや炭酸ソーダを使って数時間丁寧に洗って光沢を出す清廉という作業を行い、染液の入った釜で縦糸横糸をそれぞれ染めあげていきます。染料は化学染料のほか、植物染料も用いられます。色は気候条件などにも左右されるため熟練した技術や見極めが必要です。染め上がった糸はよれや絡みを取り除き、均一な状態に整えます。

3.機仕掛(はたじかけ)
博多織は経糸で模様を出しますので、意匠作業で決めた織組織の設計図どおりにたて糸を並べ、ロール状に巻きつけ、その後織機に模様に合わせて縦糸を連結する作業を行います。大きなロール状に巻き上げたたて糸を手織機のたて糸に一本一本結びつけ経糸の準備をしたのちに細いよこ糸を数本の束状にまとめ合わせて、太い糸に仕立てます。糸を掛け終わった先は、綜絖(そうこう)に結んでいき、絹糸を通していき最後に筬(おさ)を通します。繊細な絹糸を多数扱うため根気の必要な工程となります

4.製織(せいしょく)
博多織は機械織も進んでいますが、伝統的な手織の場合は「打ち返し、三つ打ち」という技法を使って織られます。緯糸の仕込まれた杼(ひ)を走り筬(おさ)を使い、経糸へ力強く打ち込んでいきます。この力加減により織物の張りや綿密さに磨きがかかります。糸が切れていないか、柄がきちんと出ているかなど、細心の注意を払って仕上げていかなければならず、織機も気候条件などによるきめ細やかな調整が必要とされ、同じ織物を織るにも熟練した経験が重要となります。博多織は後染めの工程を持ちませんので、織り上がるとそのまま検査が行われ製品化されます。

これらの工程はすべて熟練した職人による手作業で行われている、完成までに数週間から数か月を要することもあり職人の手作業ならではの深みのある美しさとしなやかさが生まれるのです。


現代の博多織

現在では、伝統的な帯だけでなく、ネクタイやバッグ、ポーチなどの現代的な製品にも博多織が活用されています。また、若手デザイナーとコラボレーションした新しいスタイルの博多織も登場し、伝統工芸を現代のライフスタイルに取り入れる試みが進んでいます。

福岡市内では、博多織の体験工房や展示会が開催されており、観光客にもその魅力を広めています。

特におすすめなのが福岡市西区に工房を構える博多織 サヌイ織物さん♪
博多織の記念品,贈答品の製造販売をはじめ、オリジナルの博多織のオーダーメイドを受注したり、工房の見学ができたりなど博多織の魅力にたっぷりと浸ることができるということで地元の方々をはじめ観光客の方々からも大変高い評価を得ていておすすめの施設となっています(^^)/

博多織 サヌイ織物:https://sanui-orimono.co.jp


おわりに

ということで今回は福岡の伝統工芸品「博多織」についてご紹介してまいりました♪
博多織は、その美しさと実用性から時代を超えて愛され続け日本の伝統と技術の結晶と言っても過言ではありません。
ぜひ福岡を訪れた際には、博多織に触れて博多織の魅力そして歴史を感じてみてください。
博多織のとりこになること間違いなしですよ(^^)/

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